妹がメキシコに留学してから、遺跡の写真が何度か送られてきた。
写真からも壮大なのは伺えるが、奥行きや広さは皆無である。
また、同時にイグアナの写真も送られてくる。
こちらもイグアナとわかるものの、いまいち大きさが把握できなかった。
こういった経緯もあって、メキシコに行ったら…「イグアナに会いたいな」と妹にも伝えていた。
そのことを覚えていた妹は、遺跡とイグアナが見られるであろう場所に連れていってくれた。
イスラ・ムヘーレスからカンクン市内に戻り、バスターミナルからトゥルムへ。こちらには、トゥルム遺跡とビーチ、セノーテがあることで有名だ。
私たちがバス乗った時間は、すでに16:00を過ぎていて、遺跡が閉まってしまいそうだった。
行き当たりばったりである。
そして、着いた時には閉館時間を超えていた。
「ビーチは空いてるし、イグアナいるかもしれないから行こう!」
遺跡は閉まっていても、目標のイグアナには会える!
遺跡の先の森の中に入っていく。
すれ違う人は皆、浮き輪を持っており、軽装。
水着姿の人もいる。
こんな森の奥に海なんかあるのか?と思うようなところだったが、あったのだ。
大きく看板に、サンタ フェ トゥルム。ん?サンタフェ?不思議に思いながら進んでいくと、海が広がっていた。
イスラ・ムヘーレスのバカンスという雰囲気とは違い、ピクニックのようなビーチ模様。
トランプをしているグループもあった。ビーチでトランプ…なかなか素敵な過ごし方である。
私たちの目標は、もとより、イグアナ。
妹曰く、岩場にいることが多い、とのこと。
ビーチでトランプしている集団を横目に、人の少ない岩場を目指す。
岩場の近くは海藻が打ちあがっていて、磯の香りがプンプンする。
岩場で目を凝らして、イグアナを探す。なかなか見つけられない。
うまいことカモフラージュしている。
「ほら、あそこ。」
妹が指差す方を見ると…大きなトカゲのような細い、それはいた。
あれ?思ったより細い。
もっとどっしりしているかと思っていた。
その時近くの岩から大きな音でガサガサ音がする。
でっデカイ。
こ、これがイグアナか。
感動するよりも見入ってしまった。
大きなイグアナに2人で見入っていると「excuse me 」私たちの背後から声がかかり、大きな音を立てて、岩場に隠れてしまった。
あぁイグアナ。儚い。
イグアナを見れたドキドキに心躍らせて、来た道を戻る。
帰り道には色々な動物に会えた。
カラフルな鳥や、大きな穴を作ったカニ。
レストランの前にいた七面鳥。
七面鳥だけは、メニューを見てると近づいて来て恐怖を感じた。
カンクン市内への帰り道は、コレクティーボと呼ばれる乗り合いバスに乗る。
様々な言語の溢れる車内。
夜のカンクン市内に向かった。