Trip&Hug

旅のこと、日々のこと。

金曜日のカノン

1年くらい前に、"TRANSIT"という世界の国々を色々な角度で特集する雑誌を買った。

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その時購入したのは "キューバ" 特集だった。

この雑誌を買うまで、ほぼキューバについては知らなかったと思う。

キューバでは、キューバ国民が使う通貨と外国からやってきた旅行客が使う通貨が違うらしいということや、クラシックカーが走っていること…知らなかったキューバを知ることができた。

 

中でも、特集の中で水曜日のカンパネラコムアイさんが高校時代に友人とキューバを旅した話が興味深かった。

彼女たちは、キューバで彼女たちと同じくらいの若者に「大切にしてること」、「人生とは?」ということをインタビューして、ポートレイトを撮る旅をしていた。ステキすぎる。

TRANSITに書かれている内容をもっと知りたくなり、当時彼女たちが書いていたブログも見つけ、読んでみた。

キューバ若い人たちの大切なこと、人生とは?にいちいち感動してしまう。

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後日、キューバについて気づいたことがあった。

私の好きな、Jess GlynneのAin't Got Far To Goはキューバで撮影したようだ。

この曲のMVはTRANSITを買う前にから好きでYoutubeのお気に入りリストに入れているくらいだ。だから、雑誌を見ていて、この風景見たことがある…という既視感があった。

 

こうやって興味のあること、好きなことが繋がると嬉しい。

キューバが呼んでいるのでは…と勘違いもしたくなる。

トーストとコーヒーの匂いがしたら

 今朝、トーストを焼いて、コーヒーをドリップした。

 トーストの上にバターとマヌカハニーを乗せて、コーヒーを飲む。ゆっくりした朝だ。

 朝食を食べ終え、シャワーに入る。

 浴室から出てくると、トーストとコーヒーの匂いが混ざって部屋に充満していた。

「あ、この匂い」

ふと、思い出す。ニュージーランドの朝。

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 留学していた当時、毎朝トーストを食べ、ニュージーランドブレックファーストを飲んでいた。

 トーストは2枚。1枚はマヌカハニーをのせて、もう1枚はピーナツバターをのせて、食べていた。

 よく考えると、留学中の毎朝ほとんどは、それを食べていたような気がする。飽きなかったなあ、自分、と感心するくらいに。

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 毎日食べていたからなのか、トーストの匂いとコーヒーの匂いが混ざると、ニュージーランドの匂いだ、と脳が反応して、当時の風景も思い出す。

 私にとってニュージーランド思い出の匂いとは、トーストとコーヒーの匂い。 その時に頻繁に触れていた匂いは、思い出の匂いになるのかもしれない。

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KLIMTの信念

 クリムトの作品を初めて見たのはいつだろう。

 クリムトだ!と思って見たのは割と最近で、綺麗な絵だ!と思ったのは、かなり前のことだと思う。

 私の記憶の中で、初めて見たクリムトの作品は、"接吻"だったと思う。

 この"接吻"を初めて見たときは、見方がわからなかった。女性の顔があるのは分かったけれど、その他の部分をどう見ればいいのか分からず、しばらく、見ていたと思う。

 "接吻"というタイトルを知って、初めて見方がわかった。

そして、初見より更に、美しい作品だと思ったと記憶している。

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 今日、初めてクリムトの作品を生で見る機会があった。

今回のクリムト展には"接吻"は無いようだが、有名作品のいくつかは見れるという事前情報を聞いていた。

いざ、行ってみると、そこには期待を超えた、素晴らしい作品があった。

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 展示の流れはもちろんのこと、展示作品の色や大きさ、美しさに感動した。

特に「ベートヴェン・フリーズ」には、息を飲んだ。展示室の中心で、ぐるりと何度も見渡していたと思う。

 音声ガイドの第九を聞きながら、作品を見ていると、まるで映画を見ているような、目の前でそれが起きているような、迫力があった。

 同じ階の展示を一通り見たところで、再度、「ベートヴェン・フリーズ」を見に行った。私にとって、何度も見たくなる作品で、もう一度見たいと思える作品である。

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彼は、自分の好きなこと、やりたいことをやり通した人だと、思う。

そして、絵を描くことを楽しんでいた人だと思った。

 作品を見終わると、クリムトの作品やクリムト自身に魅力を感じ、気持ちを動かされた自分に気づく。

 描いたものには魂が宿る…というようなことを聞くが、本当だと思う。

クリムトの作品を見て、彼の強い信念を強く感じたのだから。

さよならの季節

学期末、年度末、別れの季節が来ている。

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いつも駅まで送ってくれていた事務さんが今年度で退職、だそうだ。

突然のお別れに、ありがとうございました、しか言えなかった。

寂しいのを隠して、そそくさと改札に向かってしまった。

駅のホームで、しんみり。

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そして今日も、3月いっぱいで東京を離れ、地元に戻る友人と会ってきた。

食事の間はにこやかに、いつもと変わらない私たちだった。東京駅で別れる時、周りがゆっくりと動いていた。

"次はゴールデンウィークに、地元で。"

ああ、もう東京で会えないんだ。

頻繁に遊んでいた日々は戻ってこないのだと思ったら寂しくなった。


大学生の頃にも同じような経験をしたのを思い出した。

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大学生2年の春休み、1ヶ月ほどニュージーランドでホームステイをした。

ホームステイ先の家族は、暖かく、初めての海外で不安だらけだった私をずっとサポートしてくれたのを今でも覚えている。

そろそろ、1ヶ月という時に別れはやってきた。

あと、数日で日本に帰るという、ある日の朝。

朝食を食べながら、外を見ると綺麗な朝焼けがそこにはあった。

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それを見ていたら、

ああ、この暖かな時間は終わるんだ。

もう、戻らないんだ、と思って泣きそうになっていると、それを感じ取ってくれたのか、ホストマザーが握ってくれた。

同じように涙を溜めた目で私を見ながら。

 

今日の友人との別れもホストファミリーとの別れも、職場の事務さんとの別れも似ている。

永遠でも、今後一切会うことも無いわけではないのに、とても寂しく感じる。

きっと、年齢を重ねても、どんなに色んな経験をしても、この寂しさは感じるのだと思う。

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あこがれ、憧れ、スター。

東京にいると、東京だなあと感じることも多いもの。有名人や憧れの人に偶然会うことがあると、あぁここは東京だなあと実感する。

この実感がたまにだから…なんだかいい。

ずっと東京を感じていたら疲れてしまうから。

先日、仕事帰りに電車を降りたら、ぐわしで有名の漫画家さんが目の前に立っていた。

心の中では、"あ!"と思ったが、気持ちは喉の奥底に留めた。

「あぁ、ここは東京なんだ。」と実感する。

少し前のこと。

落語会に行き、落語会終了後に近くの居酒屋で飲んでいると、その会に出ていた落語家さんが主催者とお酒を飲んでいらした。

「あぁ、ここは東京だ。」と実感した。


そしてまた、今日も、職場の同僚と新宿で飲んでいて、2件目を探していた途中で、切腹ピストルズさんに遭遇。

大地の芸術祭では、商店街を練り歩いたり、芸術作品の近くで賑やかし、を行ったり…。

私にとって憧れ、スターのような存在。

そんなスターにこんな所で会えるなんて…と、とても嬉しい気持ちと共に、

「あぁ、ここは東京だ」とまた感じた。


この「あぁ、東京」って、いつもなら思えないけれど、たまに感じさせてくれる。日々のスパイスのようなもので、東京に慣れた私を刺激する。

この「あぁ、東京」って感じ、誰かわかるだろうか。