メリダに着いたのは夜だった。
空からメリダのきれいな夜景が見えたのを覚えている。
飛行機から降りるとじわっと蒸し暑さを感じた。
この飛行機から降りて、その地の空気に触れる瞬間ってたまらない。
乗り合いバスに乗り、市内へ向かいすぐにホテルへ。
バスに乗ると機内で寝ていた妹が口を開く。
「メリダは何度も来たけど、前は路線バスで市内に行ったこともある」
乗り場まで歩いていたらイグアナに遭遇した、らしい。
妹はメリダが好きだ。
詳しい理由は知らなかったが、メリダに着き、気持ちが高揚しているのがわかった。
次の日、蒸し暑さで目を覚ます。
チアパスとは違う気候。
同じ国の中でこんなに違う。
とにかく、暑いので必需品となりそうな帽子を買いに、行くことを妹に告げる。
すると、妹より忠告が…
まずい…。
私はほぼ、スペイン語が話せない。
前回の旅行で定着した単語は「チョコラテ」、「フリオ」である。
そして、今回学んだ単語は「ペロ(犬)」、「ガト(猫)」である。(以下の写真はチアパスのもの)
帽子買えるのか…?
買えなかったらしょうがない、という気持ちで街に繰り出す。
中心地にはいくつかのお土産屋さん、大きな教会、ソカロがある。
思い切って、ソカロの真ん前にあるお土産屋さんに飛び込む。
「Merida」と書かれたいかにも…という帽子を手に取りレジへ。
すでに値段が書いてあったので、難なくお買い物クリア。
ここで、もう一つ買いたいものを発見してしまう。
「サンダル」
サイズも色もあるし、これは無理かと思いきや…
慣れた店員さん、私の足を見て、足に合うサイズのサンダルを持ってくる。
"ピッタリだ"
笑顔で店員さんを見る
店員さんも笑顔
レジではさみを切るジェスチャーをすると、タグも切ってくれた。
本来なら、もっと言葉を学ぶべきところ…
分かろうとしてくれる店員さんによって助けられた。
伝えたいというこちらの意思も必要だと感じる。
通じて当たり前と感じていた私に、もう一度コミュニケーションを取る、という大事なことを気づく。
妹がなぜメリダを好きなのか、を少し理解できた気がする。