私の地元は、3年に一度大きなお祭りが開催される。
"大地の芸術祭"である。
大地の芸術祭は、始まってから今年で21年目。
この芸術祭は、私が小学生の頃から私の近くにあった。
大学生になって、ボランティアという形で関われるようになったときは、とても嬉しかったのを覚えている。
私は美大出身でも、アートに詳しいわけでもないけれど、自然の中に、まるで前からあったような作品が置かれている、というのが面白いし、楽しい。
また、芸術祭のおもてなし側に立ったとき、その地域の暖かさ、歴史を地元の人から聞けるというのも魅力的だった。
今回の会期は、一度だけ作品の管理という形で参加し、あとはお客さんとして様々な作品を見て回った。
たくさん、作品を見た中でも気に入っている作品とエピソードをここでいくつか紹介したいと思う。
アトラスの哀歌
エマ・マリグさん
高龗神社の中にある作品。
作者のエマさんは、その場所と彼女の作った物で1つの作品と、言っていたそうな。
神社の中に、ゆっくりと回る儚げな球体。柔らかそうな印象と裏腹に語ってくるものは強い。
この作品は、今回の会期のみということで、リピーターも多かったそう。
神社の雰囲気と作品が醸し出すエネルギーがとても素敵だった。
記憶の痕跡と明日の杜
国松希根太さん
軽い気持ちで行ってみたら、とても壮大な作品だった。
昔、この神社では奉納相撲が行われていた。その当時の様子から作られた作品。
中心の棒は、どこから持ってきて、いくらで…と地元のお母さんたちがお茶を出しながら教えてくれた。
この日はちょうどオカリナの演奏もしていた。
全部合わせて私の胸に残っている作品。
We are here
磯崎真理子さん
鏡ヶ池という場所に置かれている作品。松山鏡の伝説も残されている歴史ある場所。
そして、作品は陶器で作られた黄色の花が神社前に無数に散りばめられている。
階段を登って広がる黄色の花と静かで厳かな神社の佇まいに、わあーと声が出てしまう。
以前見たのは6年前。その時の記憶は残っていても、感動は変わらなかった。
以上、今回の会期中に素敵だなと感じた3作品。名付けて、神社シリーズ。
それぞれ、場所は神社で神聖なところではあるものの、アート作品と相まって更に素敵な雰囲気を出している。
もし、越後妻有に寄られる際はぜひ。
前回の会期から、3年はあっという間に感じたが、次の3年はどうだろう。
私は何をしているのかなと考えたら少し怖い気もしたが、3年後もまた、作品に触れられたらと思う。